特定非営利活動法人
日本フィリピンボランティア協会
Japan Philippines Volunteer Association
 

■学校保健室支援活動

●学校保健室事業

[内容]
当初、日本の学生が主体的に集めた支援金を使うJPVAのこの活動の対象校に5つの学校が選ばれました。
その選ばれた5校にはCASEDOスタッフが年3回訪問し、腹痛や頭痛、熱、下痢、咳、皮膚疾患といった子供たちがかかりやすい一般的な病気に効く基本薬を配達することになり、この恩恵を受ける学校側とCASEDOは同意書を交わしました。
同意書には、CASEDOが提供する植物の種や苗木を学校の裏庭に植えること、薬の受け取り責任者を決め、薬の薬の受け取りや使用状況などを記録し、CASEDOに月例報告書を提出すること、薬棚やベット、体重計などを設置する小さな保健室を作る場所を用意することといった内容が盛り込まれました。
植林は子供たちの仕事となりましたが、植林活動の後に、ご褒美として地元でアロッズ・カルドと呼ばれる子供 たちに人気のお粥の給食も行うようにしたので、子供たちは目を輝かせながら笑顔で植林活動を行うようになり ました。


●支援対象校の増加

この活動は人道的な活動として、トリル地区やカリナン地区の辺鄙な場所にある学校の間で 次第に有名になっていきました。
地方行政の手が差し伸べられない場所にある学校が支援を受けたいとどんどん名乗りをあげてきました。
救いの手を望む学校の数が増え、最初5校だったものが39校にまで増えましたが、その内日本のスポンサー校がついたのは19校だけで、後の20校にはスポンサー校がつかないままJPVAから支援していただくことになりました。
支援対象校の数が増大したこの時期、薬の配達業務はCASEDOからCMU (地域医療福祉総合センター)へ移りました。
CASEDOは環境保全のための組織、CMUは医療福祉のための組織という役割分担がより明確化されたからです。
その時から現在まで、CMUはフィリピンの支援対象校の子供たちと日本のスポンサー校の子供たちとを結ぶ掛け橋の役目を担っています。
貧しいフィリピンの学校の子供たちが、自分たちの命を守ってくれるこの活動への感謝の気持ちを込めた手紙やカードを送ることにより生まれる友情が、もう何年も続いています。


●薬の恵み

トリル地区の小学校のある生徒は自分の体験をスポンサー校に充てた手紙で書いてくれました。その内容をここでご紹介いたします。
僕は授業を受けている時、急におなかが痛み始めました。脂汗が流れ、おなかの痙攣が始まったときはびっくりしました。しばらくすれば痛みは消えてなくなるだろうと思って我慢をしていたのですが、痛みはなくなるどころかひどくなる一方で、すぐに痛みは限界に達しました。
先生は僕の様子にようやく気づき、慌てて駆け寄り「どうしたの?」と尋ねてくれましたが、僕は返事すらできない状態でした。僕の様子を見た先生は急いで保健室へ連れて行ってくれました。
様子からおなかが痛いとわかった先生は、腹痛に効く薬を僕に飲ませ、おなかには油を塗ってくれました。この処置を受けてしばらく経つと、痛みが薄れてきたのか眠ることができました。
後で先生がくれた薬がフィリピン政府からのものではなく、僕たちのことを心配してくれている日本の友達からもらったものだと聞いて大変うれしく思いました。
環境の劣悪な地域の学校ではこのようなことは日常的に起こります。
もし日本のスポンサー校からいただいた救急治療用の薬が無かったとしたらこの子供はどうなっていたでしょう。学校から最寄りの病院までは遠く、薬局すらも近くにはないという状況を考えると、想像するだけでも恐ろしいことです。
子供の両親は、自分の子供がおなかが痛くなった時薬を服用できたことに大変感謝しました。両親はもし薬が飲めなかったとしたら一体どんな事態になっていたか想像したくもないと言っていました。
また自分たちでは最寄りの病院へ薬をもらいに駆け込むこともできなかっただろうとも言いました。5人の子供を抱える貧しい農民の父親にとって病院の診療費は払えるものではありません。
この家の財政状況では日常の食料すら満足に買うことができないのです。
この家族は、会ったことのない自分たちの息子の命を救ってくれた日本のスポンサーの方々に一生忘れられない恩を感じています。薬の支援は子供たちだけでなく先生方にも恩恵を与えています。
CMUの学校保健室の担当者が月例報告書を受け取りに訪問すると、ある先生から感謝の言葉を述べられました。その先生は学校の裏庭で草刈をしていて手をひどく切った時、薬を塗って助かったというのです。手から血があふれ流れるような怪我でしたが消毒をしたお陰で感染症を防ぐことができたといいます。
週の始まりの月曜日の出来事で、学校を休んで病院へ行けずそのような処置を施したということでした


●活動の変遷

CMUのスタッフは6月・9月・1月の年3回、学校を訪問し薬の配達をしています。
保健室の責任者の先生に薬を手渡した後、丁寧に処方の仕方を教えます。
基本薬ですが子供たちへの処方には十分注意が必要と考えられるからです。
配達時にはCMUの車を使いますが、時には数キロも歩いて学校まで行かなければならない場合もあります。
時には激しい雨で道がぬかるみ車が立ち往生し、山道を歩かなければならないこともあります。
何度か配達を繰り返しているうちに、私たちは栄養や衛星、病気予防、救急医療、薬草の知識などを子供たちの親に教育しなければならないと感じ始め、この活動に健康教育を含めることに決めました。
また支援対象校全てに年に1回無料巡回医療活動を行っていくことも決めました。
この活動には学校の生徒やその親たちだけでなく、学校がある地域で病気にかかっている人たちも参加できます。無料巡回医療活動では、健康相談や診察・処方、虫下しといったサービスを提供しています。
このようにCMUがCASEDOから引き継いだ学校保健室支援活動は、サービスを向上させることを目標に置き、少しずつ内容を充実させてきました。多くの人々がこの活動がとても役に立っていると証言してくれています。
支援対象校はこの活動に大変感謝する一方で支援が受けられなくなる日がくることを大変恐れてもいます。
日本からの薬は生徒はもちろんのこと地域の人たちにっもたくさんの恩恵をもたらしています。


 
 
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